はじめに
この記事はtaniho Advent Calendar 2017の4日目の記事です.
今日は「鵤」専用のLiPo充電基板を作った話です.僕はこの基板のおかげで,この2年間LiPo充電器を一切使わずに済んでいます.それどころか,充電不足でマウスができなくなるという状況がほぼ無くなりました.猛烈にオススメしたく,ブログを書きます.
ICを探す
LiPo1セルの充電ICは,探せばいくらでも見つかります.digikeyだとこのあたりで検索すると色々出てきます.
僕は次のICを使っています.データシートに参考回路も書いてあるので,お手軽に使えます.
LTC4053-4.2 - サーマル・レギュレーション装備のUSB互換リチウムイオン・バッテリ・チャージャ - Linear Technology
動作を理解する
以降は僕の使ったLTC4053-4.2について説明をします.
電源
電源はUSB5Vから供給します.したがって,昨日のブログで紹介した書き込み基板に充電回路を組み込むと便利です.
昨日紹介した書き込み基板で,リセッタブルヒューズの定格を500mAに変更したのは,今回の充電ICを搭載することを見込んでのことです.
電流調整
PROGピンに接続する抵抗で,LiPoに流す電流を調整することが出来ます.1C充電をするのであれば,LiPoの容量と同じ値の電流を流せばよいです.
タイマ
充電時間の上限を決定するために,TIMERピンにコンデンサを接続します.データシートを参考に,定数を決定しましょう.
回路
ということで,回路です.
これだけの回路で充電ができるので,非常にお手軽です.あとはマウスの書き込みコネクタにLiPo端子を接続し,書き込みコネクタからマウスのLiPoを充電できるようにします.
メリット
マウス開発の流れが,
マウスを走らせる→パソコンに繋いで充電を開始する→プログラムを見直す→書き込む(充電が完了している)→マウスを走らせる→(以降無限ループ)
というわけで,充電しつつデバッグしつつ書き込みができるので,マウス開発サイクルが超加速します.
もう一点メリットがあって,モータを回さない場合(電流を必要としない場合)にはLiPoを繋がなくてもマウスを動かすことができるので,開発初期の頃は安全にデバッグできます.参考写真です(LiPoを接続しない状態で,マウスの電源を付けることが出来ています)
まとめ
ということで,LiPo充電回路を書き込み基板に内蔵させると便利という話でした.ハーフマウス作る方は是非オススメします.
明日のtaniho Advent Calendar 2017は,「USBハブを自作したりして専用基板を作った」という題で,鵤くん専用基板について書こうと思っています.